戦略、安全保障、国際関係

日中「海上連絡メカニズム」暗礁に

headlines.yahoo.co.jp 以前の記事とも重なるが、「対話による平和」の追及は、あくまで双方の意思がなければ上手くは行かない。 「海上連絡メカニズム」は2008年に日本政府のイニシアティブで協議が開始されたものであるが、実質的な進展がほとんど見られな…

人民解放軍30万人削減発表の意図

China Announces Cuts of 300,000 Troops at Military Parade Showing Its Might 9月3日、中国は天安門広場にて「日本の戦争の罪を強調し、戦争における中国共産党の役割を美化するために考案された」抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年記念式典を執り行…

「乙武塾」平和講義Ⅱ

平和講義Ⅱ:星野了俊先生「日本はこのまま、戦争と無縁でいられるのでしょうか?」gendai.ismedia.jp だいぶ遅くなってしまいましたが、「乙武塾」平和講義Ⅱが公開されています。 ぜひご覧ください。

「乙武塾」平和講義

平和講義Ⅰ:星野了俊先生「そもそも日本の安全保障の概念は、どういう経緯で生まれたのですか?」gendai.ismedia.jp 以前、乙武洋匡さん主宰の「乙武塾」にお招きいただいた際に実施した平和講義の内容の一部が、講談社のWEBメディア「現代ビジネス」にて…

安倍首相米議会演説

安倍首相米議会演説 全文 NHKニュースwww3.nhk.or.jp 米議会上下両院の合同会議での安倍首相による演説の全文が公開されているので、ぜひ目を通して、日本の安全保障という観点から、この演説にどのような意義を見出せるのか、自分なりに考えて頂ければと思…

日本は「対テロ戦争」に向かう?

国際社会におけるイスラム過激派組織「イスラム国」掃討の気運が高まっている。「イスラム国」対策を担当するアレン(John Allen)米大統領特使は、イスラム国に制圧された領土奪還に向け、数週間以内に「イラク軍主体の地上軍が大規模な反撃に出る」ことを…

オバマの「偉業」?――キューバとの国交正常化交渉

Charting a New Course on Cuba | The White House U.S. to Restore Full Relations With Cuba, Erasing a Last Trace of Cold War Hostility Rubio Sticks to His Tough Line on Cuba 各メディアで盛んに取り上げられている通り、オバマ大統領はアメリカが1…

You, 出馬しちゃいなよ

自公が圧勝325議席…民主伸び悩み、維新苦戦 自公が圧勝325議席…民主伸び悩み、維新苦戦 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) というわけで、自民党の圧勝で幕を閉じた第47回衆院選。 「たしかな野党」こと共産党が大幅に議席を伸ばしているのは、効果…

米海軍新レーザー兵器LaWS

With photos and video, Navy shows how its new laser gun works at sea With photos and video, Navy shows how its new laser gun works at sea - The Washington Post 米海軍オースティン級ドック型輸送揚陸艦ポンセ(USS Ponce, LPD-15)にこの秋から配…

CIAの「強化尋問技術」――米上院情報特別委員会調査報告書

Senate Panel Faults C.I.A. Over Brutality and Deceit in Interrogations Senate report on CIA program details brutality, dishonesty - The Washington Post 米中央情報局(CIA)がブッシュ政権期に行っていた非人道的な尋問、「強化尋問技術(Enhanced…

次期国防長官のカーターは物理学者だけれど

Ashton Carter, passed over before, gets picked by Obama to be defense secretary Ashton Carter, passed over before, gets picked by Obama to be defense secretary - The Washington Post 先週末、次期国防長官に指名されることが発表されたアシュト…

Whitewashing History in Japan――日本における歴史の糊塗(品性は大事だと思うのです)

Whitewashing History in Japan ニューヨーク・タイムズの社説で日本の右派勢力が非難されている。 記事によれば「安倍政権にけしかけられた日本の右派勢力が、戦時慰安所で旧日本軍が数千人の女性に奉仕させることを強要した第二次大戦における不名誉な出来…

習近平国家主席演説――中央外事工作会議

Leader Asserts China’s Growing Importance on Global Stage 中国の習近平国家首席が先週末に開かれていた中央外事工作会議の中で、外交政策の方針を公の前で表明している。 習近平の外交政策の基本方針は、2012年に発表された「中国の夢」において掲げられ…

leaner and meaner――スリム化して精強にする

世界中に軍を展開するアメリカは各国軍の再建を担っていて、米軍のノウハウを移植することで軍と軍とのインターオペラビリティ(相互運用性)の効率化を図っている。これらの任務で中心的な役割を果たすのが、特殊部隊が主体となって組織された、いわゆる軍…

ヘーゲル米国防長官辞任

24日、米国防長官チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)の辞任が発表された。 退任は本人の意向という体ではあるが事実上の更迭らしく、特に対「イスラム国」政策に関して度々オバマと意見が食い違っていたとのこと。 24日付のニューヨーク・タイムズの記事によ…

在沖縄米軍のプレゼンスにみる日米同盟の今日的意義②

在沖縄米軍のプレゼンスにみる日米同盟の今日的意義① 3在沖縄米軍の存在意義 (1)なぜ沖縄に米海兵隊が必要なのか 上述したように、アメリカ側からみた日米同盟存続意義の一つとして日本の地政学的重要性が挙げられるが、これは在沖縄米軍のレゾンデートルに…

在沖縄米軍のプレゼンスにみる日米同盟の今日的意義①

11月23日(日)に京都大学11月祭にてセミナー講演を開催します。 テーマは「普天間基地移設問題」です。 昨日16日に投開票が行われた沖縄県知事選では現職の仲井真知事が敗れ、普天間基地の辺野古への移設阻止を標榜する前那覇市長の翁長氏が当選しました。…

世界の見方と戦争――ブッシュのイラク戦争②

世界の見方と戦争――ブッシュのイラク戦争① アフガニスタン戦争で勝利したアメリカはその矛先をイラクに向けた。ブッシュ大統領は2003年1月の一般教書演説で、イランと北朝鮮の「無法国家」が大量破壊兵器の開発を進めていると述べるとともに、「さらに大きな…

世界の見方と戦争――ブッシュのイラク戦争①

世界の見方は、国家指導者の政策決定、時に戦争開始の判断に多大な影響を及ぼす。そこで今回は、イラク戦争(2003-11)開戦決定過程において、アメリカのいわゆる「ネオコン」や「主張するナショナリスト」ら外交的タカ派の世界観がブッシュの意思決定に与え…

世界の見方③

世界の見方① 世界の見方② リアリズムとリベラリズムの相克が主流をなす国際政治の分野において、第三の潮流としてのマルクス主義の思想はもはや完全に希薄化している。とはいえ、かつて一世を風靡したマルクス主義の基本的な世界観を理解することには少なか…

世界の見方②

世界の見方①の続き。 リアリストは性悪説の立場から人間の不完全性を前提とし、アナーキーな国際社会の舞台において国家は国益、とりわけパワーを追求し、互いに争い奪い合う主体であるとみる。そして国家間のパワーをめぐる抗争の最終局面が戦争であり、政…

ロックおじさん

ホッブズについて書いたので、ジョン・ロックの思想についても軽く触れておきたい。なんせ大学受験の世界史でもホッブズとロックの思想を対比させて書かせる問題が出たりするくらいなんで。というわけで、イギリス経験論の父ロックおじさんについて。 自然主…

ホッブズおじさん

前回の記事で触れたトマス・ホッブズの思想についての簡単な補足。 ホッブズ(1588-1679)はイギリス固有の経験論を継承するとともに、デカルトやグロティウスらの懐疑論、および機械論的自然観に影響を受け、数学的合理主義によって唯物論の立場から独自の…

世界の見方①

前回とは打って変わって、今回は国際政治学・国際関係論の分野における世界の見方について。 そもそも国際政治学ないし国際関係論は、戦争と平和に関する学問である。なぜ戦争は起こるのか、どうすれば世界は平和になるのかという、人類にとってある意味究極…

【尖閣問題】アメリカは助けてくれるのか

米国防総省のカービー報道官は3日の記者会見で、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題について問われ、「尖閣は日本の施政下にある。米国は日本と(対日防衛義務を定めた)日米安全保障条約を結んでおり、非常に重く受け止めている。この義務を私たちは完全に、10…