米海軍新レーザー兵器LaWS


With photos and video, Navy shows how its new laser gun works at sea - The Washington Post

 

米海軍オースティン級ドック型輸送揚陸艦ポンセ(USS Ponce, LPD-15)にこの秋から配備されている新レーザー兵器LaWSの映像が公開されている。

 

可視光線がピンポイントで標的を照射し、的は一瞬にして燃焼。

ものすごい精度である。

 

威力はミサイルに比べれば数段落ちるが、特筆すべきは一発あたりのコスト。

ミサイル一発の発射費用が数十万ドルであるのに対し、LaWSの発射費用は一発1ドル以下(約59セント)であるという。まさに破格のお値段。

 

そもそもレーザー兵器は「非対称な脅威」といわれる無人偵察機や高速ボートなどを標的とするため、ミサイル程の威力が求められるわけではない。最新鋭のステルス技術に対して自爆攻撃が用いられるような非対称戦では、圧倒的な火力で敵を殲滅するという伝統的な戦術よりも、むしろ安価な兵器で確実に敵の損害を積み上げていく方が合理的である。

 

国防予算の削減が進められる昨今のアメリカでは、いかにコストを抑えながらグローバルな非対称戦に対処していけるかが大きな課題であるとされる。世界屈指の技術力に裏打ちされたいわゆるRMAの増進が、アメリカの世界戦略、延いては国際安全保障の行く末を左右するであろう(※)

 

(※) RMA(Revolution in Military Affairs: 軍事における革命)とは、広義には軍事における諸要素の革命的な変化のこと。