ここ、試験に出ます

前回の記事の終わりの方に、今日では「宇宙・サイバー空間などが安全保障の最前線となりつつある」という旨記したが、政府ならびに防衛省自衛隊は、宇宙・サイバーに電磁波を加えた三つの領域で「(我が国の)優位性を獲得することが死活的に重要」であり、「陸・海・空という従来の区分に依拠した発想から完全に脱却し、全ての領域を横携させた新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を図っていく必要がある」との認識を示している(※)

 

陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波の「全ての領域における能力を有機的に融合し、平時から有事までのあらゆる段階における柔軟かつ戦略的な活動の常時継続的な実施を可能とする、真に実効的な防衛力」を構築していくこと、すなわち「多次元統合防衛力」の構築を進めていくことが、この先10年を見据えた日本の防衛戦略の骨子である。

 

(※)「平成 31 年度以降に係る防衛計画の大綱について」

 

ちなみに日本がこれまでに構築をめざしてきた防衛力は「基盤的防衛力」→「動的防衛力」→「統合機動防衛力」→「多次元統合防衛力」と変化してきた。

余談であるが、学生時代、防衛学の基幹科目の一つである国防論の試験にこれが出題されたのを覚えている。当時はまだ動的防衛力までだったので難なく書けたが、今の学生はちょっと大変そうである。