今回発射された2発のミサイルは、通常の弾道ミサイルのような放物線軌道ではなく、一度下降した後に再び上昇する変則的な軌道を描くものであった。
そのため、発射直後の政府による発表では「日本のEEZ外に落下したと推定」されていたが、その後の分析で落下地点が修正されることとなった。
なお、北朝鮮は9月11日から12日にかけて、飛行距離1500キロの新型長距離巡航ミサイルの発射に成功したことを公表しているが、北朝鮮の意図としては、一連のミサイル発射実験を通じて軍事力の増強を誇示し、アメリカを挑発することで、具体的な非核化措置をとることなく、経済制裁の解除ないし対米交渉における優位を引き出そうとしていると見ることができる。
たとえ示威を目的としたミサイル発射実験にせよ、もし北朝鮮が「手元を狂わせた」として、そしてもし日本が迎撃に失敗したとしたらどうなるだろうか。
実際、変則軌道ミサイルの迎撃は通常の弾道ミサイルに比べ格段に難しいとされる。
日本にとっての安全保障上の脅威は、増大の一途を辿っていく。
一方で、イージス・アショアの導入断念以降、日本のミサイル防衛は足踏み状態が続いている。
何より、「厳重に抗議するとともに、強く非難する」以外に取り立てて何かするわけでもない日本は、北朝鮮に舐められている。中国やロシアも同様であろう。
このような現状について、すなわち国際社会における今の日本の立ち位置(周辺国からの見られ方)に対し、日本国民は何を感じ、どう考えているのだろうか。