止まらない

イチロー選手の引退会見より、もう一つ。

------------------------

生き様というのは僕にはよくわからないですけど、生き方と考えれば、さきほどもお話しましたけれども、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。

あくまで測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだという状態になって。

だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むというか、進むだけではないですね。後退もしながら、あるときは後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。

でも、それが正解とは限らないわけですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でも、そうやって遠回りをすることでしか本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。そうやって自分なりに重ねてきたことを、今日のゲーム後のファンの方の気持ちですよね。ひょっとしたらそんなところを見ていただいていたのかなと。それはうれしかったです。そうであればうれしいし、そうじゃなくてもうれしいです。あれは。

------------------------

これはイチロー選手がオリックス在籍時代から様々なインタビューの中で語ってきた「結果を出す唯一の方法」そのものである。

一つのことを続けること。今自分にできること、頑張ればできそうなことを淡々とこなして「自分の限界をちょっと超える」経験を積み重ねること。小さいこと、ごく当たり前のことを地道に繰り返し、少しずつ前に進んでいくこと。そしてそうすることでしか特別なことはできないし、「とんでもない所」には辿りつけないこと。

スポーツにしろビジネスにしろ、あらゆる「成功法則」は最終的にここに行き着く。

上手くいかないのは一気に高みに行こうとするから。一気に行こうとすればするほど苦しくなって途中で止めたくなってしまう。

いち早く辿りつこうとするのではなく、めざす所に辿りつくまで、ゆっくりでも止まらないこと。いま一度、肝に銘じたい。