北朝鮮のねらい

9月3日、北朝鮮が6回目となる核実験を行い、世界を震撼させている。 「わが国を取り巻く安全保障環境は、より一層厳しさを増している」という常套句が、今日では極めてリアルに感じられる。 防衛省の発表で当初70キロトンであったとされていた爆発規模は、5…

テロ②

テロ ○誰がテロを起こすのか テロの行為主体としては、第一に個人、革命組織や宗教集団、民族団体などの非国家主体が挙げられる。「テロ」と聞いて多くの人が想起するイメージは、これらの非国家主体が国家(政府)に対して行使する反政府テロ・反体制テロで…

テロ

諸事情によりだいぶご無沙汰の更新になってしまい申し訳ないのですが、今回は国際社会でもホットな話題のテロについて。 ------------------------- まず、テロリズム(Terrorism)の語源は、フランス革命期の国民公会でジャコバン・クラブ最左派であった山…

日中「海上連絡メカニズム」暗礁に

headlines.yahoo.co.jp 以前の記事とも重なるが、「対話による平和」の追及は、あくまで双方の意思がなければ上手くは行かない。 「海上連絡メカニズム」は2008年に日本政府のイニシアティブで協議が開始されたものであるが、実質的な進展がほとんど見られな…

人民解放軍30万人削減発表の意図

China Announces Cuts of 300,000 Troops at Military Parade Showing Its Might 9月3日、中国は天安門広場にて「日本の戦争の罪を強調し、戦争における中国共産党の役割を美化するために考案された」抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年記念式典を執り行…

文藝春秋SPECIAL 2015年 秋号

『文藝春秋SPECIAL 2015年 秋号』に寄稿しました。 「戦略なき作戦 ミッドウェー真の敗因」(204-211頁)です。 今回は日米戦争の「戦局の転換」と言われるミッドウェー海戦を、戦術や戦闘のミクロ・プロセスに焦点を当てるのではなく、よりマクロな戦略の視…

ディスってないっす

安保法案についてどう思うかとよく聞かれるのですが、それについてはどこかでパブリックに書く機会があれば書きたいと思います。ここで書くとめちゃめちゃ長くなりそうだからめんどくs とりあえず一連の報道で思うところは、賛否どちらの立場にせよ、ほとん…

『ゆとり~』について

7月7日発売の『ゆとり世代の若者たちがいま戦争について考えていること』ですが、先にも書いた通り対話形式・口語で、非常にカジュアルです。戦争と平和、安全保障がテーマの本とは思えないくらい軽~く書きました。 筆者二人の対話かと思いきや、イノッチと…

『ゆとり世代の若者たちがいま戦争について考えていること』

7月7日に、『ゆとり世代の若者たちがいま戦争について考えていること』(こう書房)が発売になりました。 今回は前作『防衛大学校で~』とは趣向を変えて、対話形式でめちゃめちゃカジュアルに書いてみました。 なのでサクッと読めてしまうはずです。 ぜひゴ…

「乙武塾」平和講義Ⅱ

平和講義Ⅱ:星野了俊先生「日本はこのまま、戦争と無縁でいられるのでしょうか?」gendai.ismedia.jp だいぶ遅くなってしまいましたが、「乙武塾」平和講義Ⅱが公開されています。 ぜひご覧ください。

「乙武塾」平和講義

平和講義Ⅰ:星野了俊先生「そもそも日本の安全保障の概念は、どういう経緯で生まれたのですか?」gendai.ismedia.jp 以前、乙武洋匡さん主宰の「乙武塾」にお招きいただいた際に実施した平和講義の内容の一部が、講談社のWEBメディア「現代ビジネス」にて…

安倍首相米議会演説

安倍首相米議会演説 全文 NHKニュースwww3.nhk.or.jp 米議会上下両院の合同会議での安倍首相による演説の全文が公開されているので、ぜひ目を通して、日本の安全保障という観点から、この演説にどのような意義を見出せるのか、自分なりに考えて頂ければと思…

文藝春秋SPECIAL 2015年 春号

『文藝春秋SPECIAL 2015年 春号』に寄稿しました。 「真珠湾攻撃 戦略比較――山本五十六は石原莞爾に勝てなかった」(97-104頁) よろしくお願いします。 文藝春秋SPECIAL 2015年 春号 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/02/26 メディア: 雑誌 この商品…

日本は「対テロ戦争」に向かう?

国際社会におけるイスラム過激派組織「イスラム国」掃討の気運が高まっている。「イスラム国」対策を担当するアレン(John Allen)米大統領特使は、イスラム国に制圧された領土奪還に向け、数週間以内に「イラク軍主体の地上軍が大規模な反撃に出る」ことを…

オバマの「偉業」?――キューバとの国交正常化交渉

Charting a New Course on Cuba | The White House U.S. to Restore Full Relations With Cuba, Erasing a Last Trace of Cold War Hostility Rubio Sticks to His Tough Line on Cuba 各メディアで盛んに取り上げられている通り、オバマ大統領はアメリカが1…

You, 出馬しちゃいなよ

自公が圧勝325議席…民主伸び悩み、維新苦戦 自公が圧勝325議席…民主伸び悩み、維新苦戦 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) というわけで、自民党の圧勝で幕を閉じた第47回衆院選。 「たしかな野党」こと共産党が大幅に議席を伸ばしているのは、効果…

米海軍新レーザー兵器LaWS

With photos and video, Navy shows how its new laser gun works at sea With photos and video, Navy shows how its new laser gun works at sea - The Washington Post 米海軍オースティン級ドック型輸送揚陸艦ポンセ(USS Ponce, LPD-15)にこの秋から配…

CIAの「強化尋問技術」――米上院情報特別委員会調査報告書

Senate Panel Faults C.I.A. Over Brutality and Deceit in Interrogations Senate report on CIA program details brutality, dishonesty - The Washington Post 米中央情報局(CIA)がブッシュ政権期に行っていた非人道的な尋問、「強化尋問技術(Enhanced…

次期国防長官のカーターは物理学者だけれど

Ashton Carter, passed over before, gets picked by Obama to be defense secretary Ashton Carter, passed over before, gets picked by Obama to be defense secretary - The Washington Post 先週末、次期国防長官に指名されることが発表されたアシュト…

Whitewashing History in Japan――日本における歴史の糊塗(品性は大事だと思うのです)

Whitewashing History in Japan ニューヨーク・タイムズの社説で日本の右派勢力が非難されている。 記事によれば「安倍政権にけしかけられた日本の右派勢力が、戦時慰安所で旧日本軍が数千人の女性に奉仕させることを強要した第二次大戦における不名誉な出来…

習近平国家主席演説――中央外事工作会議

Leader Asserts China’s Growing Importance on Global Stage 中国の習近平国家首席が先週末に開かれていた中央外事工作会議の中で、外交政策の方針を公の前で表明している。 習近平の外交政策の基本方針は、2012年に発表された「中国の夢」において掲げられ…

leaner and meaner――スリム化して精強にする

世界中に軍を展開するアメリカは各国軍の再建を担っていて、米軍のノウハウを移植することで軍と軍とのインターオペラビリティ(相互運用性)の効率化を図っている。これらの任務で中心的な役割を果たすのが、特殊部隊が主体となって組織された、いわゆる軍…

ヘーゲル米国防長官辞任

24日、米国防長官チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)の辞任が発表された。 退任は本人の意向という体ではあるが事実上の更迭らしく、特に対「イスラム国」政策に関して度々オバマと意見が食い違っていたとのこと。 24日付のニューヨーク・タイムズの記事によ…

在沖縄米軍のプレゼンスにみる日米同盟の今日的意義②

在沖縄米軍のプレゼンスにみる日米同盟の今日的意義① 3在沖縄米軍の存在意義 (1)なぜ沖縄に米海兵隊が必要なのか 上述したように、アメリカ側からみた日米同盟存続意義の一つとして日本の地政学的重要性が挙げられるが、これは在沖縄米軍のレゾンデートルに…

在沖縄米軍のプレゼンスにみる日米同盟の今日的意義①

11月23日(日)に京都大学11月祭にてセミナー講演を開催します。 テーマは「普天間基地移設問題」です。 昨日16日に投開票が行われた沖縄県知事選では現職の仲井真知事が敗れ、普天間基地の辺野古への移設阻止を標榜する前那覇市長の翁長氏が当選しました。…

世界の見方と戦争――ブッシュのイラク戦争②

世界の見方と戦争――ブッシュのイラク戦争① アフガニスタン戦争で勝利したアメリカはその矛先をイラクに向けた。ブッシュ大統領は2003年1月の一般教書演説で、イランと北朝鮮の「無法国家」が大量破壊兵器の開発を進めていると述べるとともに、「さらに大きな…

文藝春秋オピニオン 2015年の論点100

本日11月13日発売の『文藝春秋オピニオン 2015年の論点100』に寄稿しています。 論点18「アメリカをあてにしすぎるな 尖閣は自分で守れ」(76-77頁) よろしくお願いします。 文藝春秋オピニオン 2015年の論点100 (文春MOOK) 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売…

世界の見方と戦争――ブッシュのイラク戦争①

世界の見方は、国家指導者の政策決定、時に戦争開始の判断に多大な影響を及ぼす。そこで今回は、イラク戦争(2003-11)開戦決定過程において、アメリカのいわゆる「ネオコン」や「主張するナショナリスト」ら外交的タカ派の世界観がブッシュの意思決定に与え…

世界の見方③

世界の見方① 世界の見方② リアリズムとリベラリズムの相克が主流をなす国際政治の分野において、第三の潮流としてのマルクス主義の思想はもはや完全に希薄化している。とはいえ、かつて一世を風靡したマルクス主義の基本的な世界観を理解することには少なか…

世界の見方②

世界の見方①の続き。 リアリストは性悪説の立場から人間の不完全性を前提とし、アナーキーな国際社会の舞台において国家は国益、とりわけパワーを追求し、互いに争い奪い合う主体であるとみる。そして国家間のパワーをめぐる抗争の最終局面が戦争であり、政…